【忘備録】DMATの活動について~JAL機内誌の取材より~
- kanna-i
- 2016年4月28日
- 読了時間: 4分
先日、大学関係の仕事でJAL機内誌「SKYWARD」の記事広告のために
大学で教鞭を振るいながら、DMAT(災害時派遣医療チーム)などの活動を
されている先生を取材させていただきました。
▼神戸学院大学デジタル広報誌
私の仕事は、情報誌などの記事の署名原稿を書くよりも
広告主ありきの広告系の仕事が多いので
ここではあまり、仕事の細かな話をしないでおこうと思っていたのですが…
(残念ながら)タイムリーに大地震が起こってしまったので、
DMATの活動や、先生からお伺いして私自身が学んだこと、
個人的に感じたことなどについて、おさらいも兼ねて忘備録として書いてみたいと思います。
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【DMATとは?】
DMATとは、「災害急性期に活動できる機動性を持った、トレーニングを受けた医療チーム」のこと。
医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、
大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に
活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームのことを指します。
日本のDMATは、今から約11年前(2005年)に発足されました。
▼DMATのHP
DMATには全国の医療従事者などの皆さんが登録されているそうで、
有事の際に「行きます!」と手を挙げた方の中から、職種や経験・性別など様々なバランスを鑑み
(取材させていただいた先生などの意思決定により)早急にチームが編成されるとのことでした。
つまり、簡単に言うと、
DMATは幅広い医療従事者の皆さんで構成され、
有事の際に早急に現場に向かい、医療支援を行うのが役割ということですね。
が、それだけではなく、
DMATは、現場の指揮や対策本部の運営なども行えるような人材の育成を行っている
ということをお伺いし、それがDMATの凄み・強みだと感じました。
その育成が熱心に行われるようになったのは、東日本大震災の経験がもとになったとのこと…。
【東日本大震災での経験とは?】
大震災が起こり、現地の空港に急いで到着した自衛隊。
しかし、そこからの交通手段が無く、どうやって動けば良いのかわからないという混乱が起きたようです。
ボランティアにやってきた人たちもしかりで、
「現場の皆さんを何とか助けたい!」「何かできれば!」という一途な想いがあるのに、それが叶わない。
こんな勿体ない事態が起こったとのことでした。
そこから浮き彫りになった課題のひとつは「災害医療におけるロジスティクス」の強化でした。
※「ロジスティクス」とは、デジタル大辞泉によると、
「企業の物流合理化の手段。原料の手当てから販売まで、物流を効率的に管理するシステム」のこと。
物流をスムーズに運営・管理する仕組、というようなことでしょうか。
被災地などで効率的な医療活動を行うには、
通信環境の整備や情報管理、移動や輸送手段の整備、燃料や物資の調達、
マネジメントや記録などが必要となり、災害対策本部の運営も重要な要素とのこと。 今では、DMATが様々な業界団体と連携し、この「ロジスティクス」に関わる人材の育成を強化されているようです。
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震災の規模というものは、概ね被害に合われた人の数や家の数などで測られがちですが、
被害に合われた方やご家族のこと、お一人おひとりのことを考えると
被害が大きくて大変、小さくて良かった…などは簡単に言えないなぁというのを
私はいつも考えてしまいます。
ただ、その全体数が、地震の大きさと比較すると少ないのかもしれない…と考えると
そこには自衛隊やDMATなどの活動が大きく関係しているのではないかとも思っています。
その中でも、特に「ロジスティクスの強化」に向けた「準備」が影響しているのではないかと。
DMATに限らず、急遽、現場で動く人たちが最大限に力を発揮できるための人材育成、
組織の在り方というのは凄く大切なんだなと感じた取材でした。
しかも、DMATは見ず知らずの人同士で結成されることも多いでしょう。
と思うと、裏返せば、そういうことも「訓練しておけばできる」ということですね。
もちろん、経験や知識など、プロならではの基盤がないとできないことだとは思いますが。
================================= 熊本の震災におけるDMATの記事を見つけましたので、勝手ながらリンクをはらせていただきます。
▼日経メディカル
【速報◎2016年熊本地震DMATは157隊、DPATは13隊が活動中熊本地震、各地で災害医療活動が展開中】
※「災害派遣精神医療チーム(DPAT)」という組織もあるようです。
▼Caddetto.jp
【帰還したDMAT第1陣、「歓迎」に心震えた】
DMATも、それ以外の組織についても、専門的なことまではわかりませんが、
DMATの動きは素早く、チーム数も多いな感じました。
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私は震災に対して大して何もできず、九州の皆さんのことを考えながら
ただただ日常生活を大切に、明るく生きようと過ごしています。
それが今の自分の役割なのかな、と。
ただ、少しでも何かできることがあれば、いつでも精一杯やっていきたいなと。
そんな風に考えています。







































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