「ケイコとマナブ」休刊へ【その1:学ばせていただいたこと編】本当にありがとうございました
- kanna-i
- 2016年5月9日
- 読了時間: 5分
「ケイコとマナブ」が4/25発売の6月号で休刊になりました。
ケイマナ(=ケイコとマナブ)と言えば、私が編集者として第一歩を踏み出した
思い出がいっぱい詰まった情報誌です。
そこから「関西ゼクシィ」の編集部に異動し、
ゼクシィの明るくて煌びやかな世界感やモデル撮影、ハッピー感あふれる読者、
(ケイマナに比べると)予算的にも人員的にも余裕のある編集時代はとーっても楽しかったですし、
ゼクシィ時代の先輩方や元同僚とは、今もずっと友達のように仲良くしてもらっています。
ただその前に、入社してすぐ関わったケイマナのムック(仕事や資格)の編集と
ケイマナ本誌の編集で学べたことは本当に大きかった。
そして、その時代の先輩方は今でも私にとっては師匠であり、元同僚は戦友のようだったなぁ、と。
広告主であるクライアントと読者であるカスタマーを繋ぐ情報誌はリクルートならではでしたが、 誰に何を伝えたいと思うのか、この企画で何を伝えないといけないのか。
(私はそこに数年しかいなかったし、後から変わったこともたくさんあると思いますので
偉そうなことは言えないのですが・・・)
とにかく、それをブレずに貫き通していたのがケイマナ編集部だったと思います。
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そもそも私自身、新卒時代は別業界で働いていましたが
編集・ライターになりたい気持ちが募って講座に通ったり、
色んな方にお話を聞きに行ったり、編集部でバイトをさせてもらったこともありました。
そんな自分自身の気持ちと同様に、
「変わりたいと思う」「変えようと努力している」女性や男性を応援したい気持ちで入社させてもらい、
その気持ちはケイマナを離れるまでずっと変わりませんでしたし
今でもその気持ちは続いています。
何より、
「学ぶ」ことで変わっていく毎日の生活や仕事、気持ちの前向きな変化…
そんな読者をつくる、応援する想いが脈々と流れていたケイマナが大好きでした。
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ただ、難しかった思い出も。
編集記事の取材で、学びにより変わっていったであろう方にいざお話を伺うと
その根っこにあったのは「学び」ではないというような意見があったのも事実でした。
実際に変わっていこうと一歩踏み出した人は非常に芯が強く、
「学び」はイチ手段であり、強い「気持ち」や、そこから踏み出したゆえの「何らかの行動」で
変わっていった方が多かったのです。
もちろん、それを表現することは主旨として決して間違いではなかったのですが、
やはりケイマナは「学び」色を強く出さないといけませんでしたし、そこに割けるスペースも限られていました。
そんなジレンマとの戦いもありつつ、どう上手く表現していけばいいのか・・・
ライターさんと夜な夜な電話で話し合ったこともありました。
現在は経験を積みつつ少し器用にもなったことで、似たようなケースにも対応できるようになりましたが、
その頃の自分にとっては凄く高いハードルでした。
また、ムックの新旧資格の何百件もの帯情報企画(地味だけど大切)。
ベースはあったのですが、連絡先を引き継げなかったのでゼロからのスタート。
国家資格も含んでいたので、とりあえず法務省だろうと何だろうと
電話してみる⇒掲載許可をとる⇒アンケートをとる⇒原稿をつくる⇒FAXする⇒校正をお願いする
⇒修正する⇒校正をお願いする・・・を校了までひたすら繰り返しました。
先方の組織が大きすぎてたらい回しになったり、かなりワガママな朱書きを入れられることも多く、
初稿前頃から校了までは徹夜続き・・・。
入社してからムック発行の度、これを行いました。
途中からはアルバイトさんを募集して手伝ってもらい効率も良くなりましたが
編集・ライターの駆け出し~基本のキ~を経験させていただきました。
それから、
右も左もわからないままリクルートに入社し、生意気盛りだった私。
未熟者だったなぁ(今もですが)としみじみ思いますし、
営業や制作の皆さんと、もっとコミュニケーションをとったら良かったなぁとか・・・反省点も色々あります。
でも、それらの反省もジレンマも、全てが今の自分に通じていますし
今、直接交流していなくても、その時に関わった社内の皆さんをはじめ
カメラマンさんやデザイナーさん、ライターさんやイラストレーターさんとの日々をはっきりと憶えています。
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リクルートの情報誌は一般的に「広告雑誌でしょ」とは言われてきましたが、
実はかなり読者目線でつくっているのがリクルートの情報誌だと思っています。
私は、リクルートを離れて広告制作会社に移り、その後独立しましたが、
広告・販促関係の打合せや、情報誌の打合せなどに出て違和感があった時に
「それは読者(or顧客や閲覧者など)がどう思われるでしょうか」と言うと「ハッ」とした顔をされることがあります。
「まさか考えていなかったわけじゃないよね」と心の中でつぶやくのですが、
特に最近、そういうことを忘れて進行している方が多いような。
もちろん、読者や顧客に媚を売るようなことはしなくてもいいと思いますが
(広告業界に至っては、まずクライアントに話を通すという目的が際立っている場合も多いのですが)
その先にいる人のことを忘れるのは本末転倒かな、と。
そんな中でも、いつも頭の片隅に読者のことを置き続けられるのは
ケイマナにいたからこそだと感謝の気持ちでいっぱいです。
※「その2」に続きます
▼「ケイコとマナブ」2016年6月号。長年お世話になったライターさんやデザイナーさんがつくった記事、
編集部の皆さんのイラストや編集後記などが詰まっていました。







































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